巡回展の為、都内でも開催があったのですが
あえてこちらの美術館で観たいと思い、今回足を運びました。
美術館の雰囲気にこの企画がとても合ってると思ったのです。
こんな風に、「この美術館にはこんな企画が合ってる」とか
「お気に入りの美術館」というのがあるので、
作品を観るということが観る場所(環境)も含めて選択できるというのは
とても贅沢で嬉しいことです。
ドニは最初の妻マルトとマルトの死後再婚したエリザベツとの間に
9人の子供がいます。(内一人は4ヶ月という短い生涯でした)
その子供達を中心に家族を題材にした作品が、今回の展示会です。
とても綺麗な明るい色で、柔らい光の中に、神々しい陽射しの中に、
家族が生き生きと描かれています。
写真は「家族の肖像」(1902年)。
画面中央に、大きくおおらかにマルト。抱かれている子は
まだ周りの状況も分からないぽやんとした顔。
向かって右はお姉ちゃんという感じになりつつある少しおすまし顔。
左はお皿のリンゴに手が伸びそうな、いたづらっぽい眼差しが
輝いている子。
どの作品でも絵の中の子供達は、動き出しそうな、
はしゃぐ声が聞こえてきそうなくらいに存在感があります。
「子供の身づくろい」(1899年)
むずかる赤ちゃんをマルトがしっかりと抱き抑えて、窓から差し込む
柔らく明るい陽光に照らされています。
ワンピースの太いストライプが、マルトにどっしりとした量感を持たせていて
大きな母性を感じる作品です。
「ランプの下の入浴」(1899年頃)
夜にランプの下で、赤ちゃんを沐浴させている絵です。
全体が暗めのローズピンクで、夜だけど、なんだか暖かい感じがします。
「バラを持つマルト」(1909年)
珍しく子供が絵に出てこない、ドレスで正装したマルトの絵です。
とても幸せそうな感じが顔にあふれています。
ここでマルトが首からかけているネックレスは子供達の抜けた乳歯と宝石を
組み合わせて作り、ドニがプレゼントしたものだそうです。
この絵の横に現物のネックレスの展示もありました。
確かに歯でした!個人的には歯のネックレス?!どうなんだろう??ですが、
ドニとマルトは本当に子供が大好きで、いつもいつも子供達のことを
考えていたんだなと思いました。
「白の母子像」(1923年)
マルトが真っ白なガウンを着てベッドに横たわっています。
光の差し込む窓に背を向け、赤ちゃんにお乳をあげている絵です。
このガウンの白が、光に当たっている部分、いない部分含めて
とても綺麗です。
「サクランボを持つノエル」(1899年)
「リンゴを持って頭を傾けるベルナデット」(1900年頃)
「絵を描くマドレーヌ」(1908年頃)
この3作品も、子供のふとした表情がとってもみずみずしい作品です。
ノエルはおでこちゃんで可愛い。さくらんぼ自体の形からでる可愛らしさと
相乗効果でしょうか。
ベルナデットはリンゴを持って何だか楽しそうに頭を傾けています。
マドレーヌはちょっと上目づかい気味で、小悪魔的なかわいさに
満ちています。
以上の企画展以外に、こちらの美術館はジャン・フランソワ・ミレーの
コレクションが充実しています。常設展でミレーを含めた同年代のバルビゾン派を
中心にした作品や、地元甲府市出身の版画家・萩原英雄の記念室もあり
見応え充分な施設となっています。
館内にあるレストランも雰囲気が良くて、メニューも充実してますので
同じ公園内にある文学館と合わせて1日いても良いくらいな所です。
山梨県立美術館:http://www.art-museum.pref.yamanashi.jp/index.html

