毎年恒例となりました
私が選ぶ2018年展覧会TOP10。
昨年とほぼ同様の72展見た中で
苦労して10展に絞りました。
今年は昨年以上に絞り込むのが大変で
一次予選では30展も出てしまうほど。
理由は、行きたい展覧会を外さないように
選んで行っていたため
当然ながら一次はこのように
多くなります。
続いて、展覧会全体の印象は良く、
作品自体は驚きに満ちた超絶な技巧や
雰囲気を持っているのだけれど、
コンセプトやストーリーといった
構成面が弱いものから淘汰されていき、
絞り込まれます。
こうして10展にする作業をしていくと、
私が満足する展覧会というのは
驚きや意外性を持つ作品があり、
且つコンセプトやストーリーが
しっかり作品とつながるものだと分かります。
ブログをお読みのあなたも是非、
今年見た展覧会の第一位、
1展でもかまいません。
「絞り込んで」みてください。
その展覧会をなぜ選んだのか。
少し考えるだけでも、
「自分の心を鷲掴み!」にする
展覧会の傾向が分かりますよ。
2019年、あなただけの感動の展覧会に出会うためにも
この絞り込み作業をしてみてはいかがでしょうか。
では、まずTOP10をずらっと並べてみましょう。
(並びは順位ではなく、単に見た順番です。)
@歌川広重 二つの東海道五拾三次
保永堂版と丸清版(八王子市夢美術館)
A生誕一〇〇年 いわさきちひろ、絵描きです。
(東京ステーションギャラリー)
Bチームラボ ボーダレス(お台場)
Cモネそれからの100年(横浜美術館)
D鍋島と古九谷 意匠の系譜(戸栗美術館)
Eふるさとはここに(富弘美術館)
Fムンク展−共鳴する魂の叫び(東京都美術館)
G国立ロシア美術館所蔵
ロシア絵画の至宝展(東京富士美術館)
Hイサム・ノグチと岡本太郎
−越境者たちの日本(川崎市岡本太郎美術館)
I堀内正和展 おもしろ楽しい心と形
(神奈川県立近代美術館葉山)
続いて、それぞれの所感も書きたいと思います。

@ 歌川広重 二つの東海道五拾三次
保永堂版と丸清版(八王子市夢美術館)
浮世絵作品、昭和40年代、現代と、
作品・写真を同時展示し、
3つの時代の定点観測をやってのけた魅せ方に感動。
保永堂と丸清という版元の違いで、
同じ場所に対する視点がこんなに違うということが
分かり易く見られたのもポイントでした。

A 生誕一〇〇年 いわさきちひろ、絵描きです。
(東京ステーションギャラリー)
可愛らしい子どもたちや草花などのモチーフを
淡い水彩で描く作風からは想像しづらいのですが、
「いわさきちひろ」という一人の人間が、
主義主張を持って生き抜いた人生を
見せてもらえた展覧会で、
共感する箇所が多くありました。

B チームラボ ボーダレス(お台場)
空間を作るにあたり、
コンセプトやストーリーをはじめとする
構成はあるのですが、
そういうものの存在を「体感」によって
理解してもらおうじゃないか、
という上手い演出に脱帽。
作品のなかにポーンと放り込まれて、
あとは自分の足でその世界を歩き、
その世界を見て、感じるだけ。
難しいこと一切なし、とはこのことです。

Cモネそれからの100年(横浜美術館)
時代を越え、国境を越え、時間を越えて、
脈々と受け継がれていくモネとは何か?が
作品を通してよく分かり感動しました。
担当学芸員の作品を選ぶ力が優れている
証だと思います。

D 鍋島と古九谷 意匠の系譜(戸栗美術館)
美術館の収蔵品でも最高品質を誇るであろう
「鍋島焼」のみの展示。
ギャラリートークで
担当学芸員の解説を聞きながらの鑑賞により、
将軍家への献上品という最高峰とは確たるものを
大いに感じることができました。
常設ではありませんが、
こちらの美術館の鍋島焼は一度ご覧になることを
お薦めします。

E ふるさとはここに(富弘美術館)
今回、初めて訪ねた美術館。
星野富弘さんの人生を俯瞰できるこの企画展を
タイミングよく見ることができたのが
大きなポイントです。
怪我をされて身体が不自由になっても、
日々描いたり、書いたり、考えたり。
精神を使って活発に生きている姿が
作品と添えられた文章からにじみ出ています。

F ムンク展−共鳴する魂の叫び(東京都美術館)
まさに「叫びだけでないムンク」満載の展覧会。
精神を病むというよりは感受性が強すぎた
という表現が私にはしっくりくるムンク像。
故郷ノルウェーの自然や人物を
明るい色彩で伸び伸びと描いている作品も多く、
ムンクのイメージが変わる展覧会でした。

G 国立ロシア美術館所蔵 ロシア絵画の至宝展
(東京富士美術館)
今までロシア絵画をきちんと見たことがなかったな、
ということが分かった展覧会。
お陰様で非常に新鮮な気持ちで
作品と向き合うことができ、
気持ちの良く鑑賞ができました。
絵画が独立した芸術ではなく
文学や音楽と深く関わりがあること、
広大な国土と多民族であること、
私が思っているよりも四季があり
豊かな自然があること、
作品からそんなロシアを読むことができました。

H イサム・ノグチと岡本太郎
−越境者たちの日本(川崎市岡本太郎美術館)
自国にとどまらず海外への留学や居住の経験により、
日本を外から冷静に観察し、優れているところ、
残したい文化を見つけ出して、
自身の活動や作品制作に反映している流れを
教えてくれた展覧会。
常に自分の居場所、作品制作に適した思想や主義を
追い求めていたようにも見える二人。
果たして居場所は見つかったのか?と
ふと気になる余韻を残す展覧会でもありました。

I 堀内正和展 おもしろ楽しい心と形
(神奈川県立近代美術館葉山)
先週見たばかり、今年見納めの展覧会で
堂々のTOP10入り。
以前、上越へ行った時に屋外に設置されていた
堀内さんの作品を見ていて興味をもった次第。
作品制作における理論が私にとっては難しく、
理解できたとは言い難いのですが、
「分からない」ことを「面白がる」心も
いいのではないかと。
「分かりたい」と思って見続けていれば、
自分の中で少しづつ理解ができてくると思います。
「形」をテーマにした常設展との連動が
効いているところは美術館のセンスを感じますね。
あなたも見た展覧会はありましたか?
これ以外の展覧会でも結構ですので
どうぞ感想などもお寄せくださいね。
2019年もお互い、感動できる展覧会に会えますように!
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posted by ひまわり at 19:16| 東京 ☀|
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