2018年01月16日

第56回 美楽会@サントリー美術館

2018年美楽会スタート。
今年最初の第56回美楽会は
サントリー美術館から。
フランスのセーブル磁器の展覧会。

きらびやかな色やデザイン
時代や顧客の要望に応えながら
歴史を重ねる磁器製作所の変遷が
見どころです。

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ランチは新年ということで
いつもより少しランクアップ、
ミッドタウンのすぐ裏手にある
トゥーランドットで中華を
楽しみました。

磁器の展示を観たばかりでしたので
やはり器に目がいく一同。

お料理が盛られる器は
ロイヤルコペンハーゲンなどの
洋食器。

フレンチのような見た目、
懐石のように一人ずつ
サーブされる料理。

しかし、口に広がる味は紛れもなく
中華という、コースが進むたびに
静かな驚きが広がる素晴らしい
メニューでした。

では参加者の方の感想をどうぞ。

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● イベント全体で印象に残ったことは?
・展示作品の見やすさ、居心地の良さ、子供も楽しめる
工夫(ワークシート)

・18世紀フランス国朝の影響力
・セーブルが時代の流行を取り入れて
様々な様式に対応してきたこと。

・時代に合わせて、変化していく事で技術が高められて
より洗練していくのだと改めて思いました。

・年代順の展示で、その時代の流行や当時の優雅な生活を
想像しながら見ることができてたのしかったです。
実際はどんな料理をのせていたのかなぁ。

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●今年の美楽会のテーマ「ストーリーのある美術館」に
関連して。
「サントリー美術館ストーリー」と実際来てみて感じた
ことなどから、ここは〇〇な美術館だと思います、を
自分なりに考えてみて下さい。

・ここは清潔な日本らしい美術館です。
・ここは品の良い美術館です。
・ここはふらりと気楽に入れる美術館です。
・ここは都会のオアシスのような心やすまる美術館です。

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●もし「展示してある作品を一つ差し上げますよ」と
言われたら欲しい作品はどれでしょうか。

こちらについては、家にあってもどう使っていいのか
分からないとか、お料理が映えないとか(器自体の装飾や
模様がありすぎて・笑)現実的な意見が多く
展示の中では比較的控えめな装飾の作品をみなさん選んで
いたのが印象的でした。

「セーブル、創造の300年展」は1/28(日)まで
https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2017_6/

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来月は2/10(土)根津美術館に行きます。
http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/


お問い合わせはこちらまでどうぞ。
美術館コンシェルジュ・牧野真理子
colorful.triplem@gmail.com

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〜編集後記〜

いつもはランチの最後に意識づけもかねて
書いていただいている「アンケート」。

今回は事前にお渡しして、「ここは〇〇な
美術館です」ということを考えて頂きました。

書かれた文章を見て凄いなぁと思ったのは
美術館のコンセプトをみなさんが
しっかり受け取っているのが分かったから。

設計者の隈研吾さんはサントリー美術館を
「都市の居間」として居心地の良い美術館を
めざしました。

隈さんの表現力や伝える力も、参加者の方々が
それを受け止め感じる力も、両方とも凄いですよね。

美術館は展示室の作品を中心に、多くのものを発信
しています。それを感じ取るために積極的に
関わる姿勢は大事ですね。


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本日のランチはこちら↓↓↓
トゥーランドット:
http://wakiya.co.jp/restaurants/akasaka/

月替り?のランチコース(写真掲載順)
新春の前菜盛り合わせ
熱々ひとくち叉焼包
王様しいたけと海老の香り揚げ
とろとろ白菜と 白子の煎り焼き
三島大根のホクホク蒸しと大根餅
チャイナラビオリ蟹肉ソース
百合根と鶏肉のちまき
いちごのプリン
今年の運勢を占うフォーチュンクッキー・中国茶

フレンチと懐石が融合したような
繊細な中華でした。
お酒のメニューに日本酒があり
「中華に日本酒は無いでしょ〜」と思っていたのですが
こちらの中華なら「あり」ですね。

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posted by ひまわり at 22:20| 東京 ☀| Comment(0) | 東京都 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月09日

■□■今日の美術館■□■ 名古屋ボストン美術館

名古屋市中区にあります
名古屋ボストン美術館。

1999年4月にアメリカ・ボストン美術館の
姉妹館として開館しましたが
20年の活動をへて、
来年2019年3月に閉館が決まっています。

収蔵品は持たずに
提携先のボストン美術館より
定期的に作品を借りて、企画展を
行うというスタイルで
名品を紹介してきましたが

作品の借用料や保険料等の出費、
当初の予定を下回る来館者数で
財政が困窮し、閉館に至ったようです。

昨今は、ルーブル美術館や
グッゲンハイム美術館など
海外の老舗美術館が地方や、
国外へ別館を作り
新たな活動拠点とするだけでなく
美術館を誘致した地域の活性化にも
繋げている良いスパイラルを
生み出しているケースも聞くだけに
東京ではなく、あえて名古屋にあった
ボストン美術館の姉妹館が閉館してしまうのが
惜しいなぁ、と個人的には思っています。

JR他各線の金山駅前という
とてもアクセスが良く
ビルの中に入っている都市型の
美術館。

一般の入館は幕引きの展覧会が修了する
2018/10/8(月祝)までかと思われますので
閉館前に20年の美術館の歩みを見がてら
訪ねてみてはいかがでしょうか。

現在は浮世絵名品展、
「鈴木春信展」が1/21(日)まで
開催中。

美術館と展覧会詳細は
下記リンクよりどうぞ。

名古屋ボストン美術館:
http://www.nagoya-boston.or.jp

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posted by ひまわり at 20:56| 東京 ☀| Comment(0) | 愛知県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月31日

☆2017年私が選ぶ展覧会ベスト10☆

美術館コンシェルジュ・牧野真理子が選ぶ
2017年の展覧会ベスト10。

今年観に行った展覧会は73展と
ここ数年来の少なさ!
自分でも実感していたので「やっぱりな」の数字。

今年も魅力的な展覧会がたくさんあり
行けなかった展覧会に焦点をあててしまえば
キリがありませんが、
限られた時間だからこそ「これは絶対見逃したくない」と
思うものに行けたとも言える一年でした。

面白いのは昨年同様、ベスト20展から10展に絞るのが
大変だったこと。母数が変わっても良かったなと思う展覧会は
やっぱり20展。不思議ですね。

今年も絞り込んだ10展、
魅力的だと判断する基準は、
美術館と展覧会のマッチングです。

並び順は順位を表すものではなく
単純に行った順番ですのであしからず。

では、いってみましょう〜



1. 草間彌生 わが永遠の魂@国立新美術館(東京都)

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天井の高い、とにかく大きな展示室を余すところなく
草間作品で埋め尽くした圧巻の展示。
精神的な不安を源とする作品から発する
強烈にストレートなエネルギーには魂を揺さぶられます。


2. 並河靖之 七宝@東京都庭園美術館(東京都)

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有線七宝という技法で作られた七宝焼。
発色も鮮やかで色も綺麗。
特に理由もなく、ただただ見てみたいと思っていた
展覧会だったのでとてもリラックスして楽しめました。
庭園美術館の上質な雰囲気が成せる技かもしれません。


3. ミュシャ展@国立新美術館(東京都)

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ミュシャが画家として本当に描きたかったものを
見ることができた貴重な展覧会。
華やかなポスター画がミュシャだと思っていたので
あまりのギャップに戸惑いもありながら、画家の本質を
知ることができて本当に良かった。
スラブ叙事詩をきちんと収めるスケールのある
展示室もこの美術館ならではです。


4. 砂澤ビッキ展@神奈川県立近代美術館・葉山館(神奈川県)

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アイヌ人彫刻家の砂澤ビッキ。
本州の美術館では滅多に作品が見られないとのことで
貴重な展覧会。
アフリカの彫刻家エル・アナツイとの共通性をたくさん発見し
国や文化、時代が違っても共通する認識や揺るぎない真理が
あるのだと体感しました。
このような原始の力が強い作品は、
自然が身近にある郊外の美術館での開催が良いですね。


5. Best of The Best@斎藤清美術館(福島県)

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今年は地方の美術館へあまり行けなかったので、
あらためて地方の良さを感じることができた美術館と展覧会。
故郷福島の素朴な景色を洗練された線と色使いで表して
いる作品が印象に残っています。


6. 安藤忠雄展@国立新美術館(東京都)

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安藤さんの大型建築のスケールを体感させてくれた展示が秀逸。
古くならない、未来的でもない、安藤さんの建築はいつまでも
安藤さんの建築以外の何ものにもならないという
「安藤哲学」が伝わる企画でした。
ストーリーのある展示内容が建築の専門性を超えて、
門外漢の多くの方に受け入れられたのでは。
もちろん私もその中の1人です。


7. 野生展@21−21DesignSight(東京都)

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「飼いならされない感覚と思考」という
サブタイトルに非常に惹かれて行きました。
この美術館らしいエッジの効いたタイトルと内容。
見ていると「何だこれは?」「何が言いたいんだ?」と
いつもながら疑問を感じる場面が多い企画です。
この感覚こそ、美術館が発信したい本質かもしれませんね。


8. シャガール 三次元の世界
@東京ステーションギャラリー(東京都)

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年の初めから、これはスゴイ展覧会だぞと
目をつけていました。
なにせシャガールがこんなに立体を
作っていることを知らなかったから。
赤レンガの展示室には絵画の展示もあり、
二次元、三次元のシャガール世界を比較、
堪能できる展示でした。
立体作品のライティングもよく考えられていて、
作品が生き生きと見えました。


9. 上原コレクション名品選@上原美術館(静岡県)

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上原近代美術館から上原美術館へ。美術館にとって新たな
出発の年、記念講演と共にその機会に立ち会えたことが
とても嬉しかったです。地元に根ざした地道な活動を
コツコツと続ける姿勢に、これからも美術館を見守って
応援していきたいと思いました。


10.正宗得三郎展@府中市美術館

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晩年を美術館のある府中市で過ごした、
洋画家・正宗得三郎の展覧会。
各地の美術館から作品を集め、回顧展のように時系列で
多くの作品が展示されました。
地元にゆかりのある作家の仕事を丁寧に緻密に紹介する企画に
好感を持ちます。
これこそが公立美術館たらしめる大切な要素だと思うので。




あなたが印象に残った展覧会は
ありましたか?

2018年もたくさんの魅力的な美術館や展覧会に
出会えますように。




posted by ひまわり at 21:17| 東京 ☁| Comment(0) | 美術館よもやま記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする