2016年09月28日

照明は明るくなければいけないの?

こんばんは。
美術館コンシェルジュの
牧野真理子です。

9月中旬は
記録的な日照不足。

秋雨前線と台風の影響で
関東地方は特に日照時間が
短かったとのこと。

やっぱり!
と関東地方にお住まいの
あなたなら思いますよね。

先週末あたりから
久々お日様を見られて
日差しがあることの素晴らしさを
あらためて実感。

明るいっていいね!
太陽って有り難いね。

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先日デンマーク人建築家の方による
インテリアセミナーに参加しました。

印象に残ったのは
部屋の照明について。

デンマークでは個人宅だけでなく
オフィスなどでも間接照明が
主流だそうです。

天井から蛍光灯や白色灯で全体を
照らすということは無いそう。

部屋の表情、趣がなくなるので、
どうやら彼らの感性に
マッチしないようなのです。
(はっきり言いませんでしたが
ありえないでしょ〜みたいな
感じに首を振っていました)

天候や緯度が高いことによる
日照時間の短さも関連して、
暗さや闇に趣を見出すという感覚も
あるようです。

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でも間接照明だと暗くて
目が悪くならない?

これに関しては
手元を明るくすれば目は悪くならない。
上から照らすとかえって手元に影ができて
暗くなるから目が悪くなるという常識。

ところ変わればで、
日本と全く違うことに驚きました!

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また主宰された
インテリアコーディネーターの方の
お話で納得したのは

蛍光灯や白色灯は昼間の太陽の光、
これを夜も浴びるというのは
不自然なことで、

夕陽と同じキャンドルや間接照明の光は
精神を沈め、安定した睡眠にも効果があるそう。

こうゆう光の中では
夫婦喧嘩や虐待も起こりにくく
なると思う、という見解も
アリだと思います。

ホテル、特に海外のホテルは照明が
暗すぎる!と感じる私は
すっかり蛍光灯や白色灯の
光に慣れている証拠。

間接照明を心地よく感じるには
すこし時間が必要です。

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さて、美術館では作品保護という
理由で照明を落としていたり、
作品を最高の状態で観てもらうために
ライティングが工夫されています。

特に照明に表情があると
感じる美術館を5つご紹介して、
今日の結びとしましょう。

東京ステーションギャラリー(レンガ壁の展示室)
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition.html

三井記念美術館(入って最初の展示室)
http://www.mitsui-museum.jp/exhibition/

東京都庭園美術館(旧館部分)
http://www.teien-art-museum.ne.jp

箱根ラリック美術館
http://www.lalique-museum.com

大阪市立東洋陶磁美術館
http://www.moco.or.jp

何必館 京都現代美術館
http://www.kahitsukan.or.jp/frame.html


照明は「明るく照らす」だけが
働きではなさそうですね。


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posted by ひまわり at 22:14| 東京 ☀| Comment(0) | 美術館よもやま記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月22日

第40回美術館へ行きましょう@国立新美術館

2013年4月より始めました
少人数で美術館を楽しむ会
「美術館へ行きましょう」

今まではFacebookでのみ
記事を投稿しておりましたが
アーカイブとして、またブログに
来ていただいた方にも
美術館を楽しむヒントになればと

遅ればせながら第37回から
アップさせていただくことにしました。

どうぞ宜しくお願いします。

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少人数で美術館を楽しむ日。
第40回美術館へ行きましょう
@国立新美術館
「ヴェネツィアルネサンスの巨匠たち」

9月の回、開催しました。

宗教画の面白さ、おかしさ、
怖さを感じた展覧会。

今回は作品同士がとても余裕をもって
展示されていて
広々と見やすい展示でした。
加えて60点という少なめの作品数も
じっくり見ても飽きが来ない、疲れないので
見やすいと感じた理由でしょう。
では参加者の感想をどうぞ。


●イベント全体で印象に残ったことは?

今日は空いていたし、展示の仕方が
見やすかったので良かった

アトリビュート(属性)を知識として
持っている方が
宗教画はより深く理解できるのだなと
改めて思いました。

パンフレットの絵にとても違和感を
感じました。
赤い天使に、異様に大きなマリアの手。
何かが始まる予感をさせる展示会でした。

宗教画は見方が分かると面白いし
理解りやすいとわかった。

オルフェウスとエウリュディケのストーリーは
日本神話と共通していて何か不思議な繋がりを
感じています。

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●ワーク(形容詞カード)の感想は?
他の人と感想をシェアすることで
自分が気付かなかったことに気付いたり
共感できたりして楽しかった。

カードワークは自分の中にある無意識な言葉が
引き出されてとても楽しかったです。

脳のいろんな部分を使って
とても楽しかったです。



仏教とキリスト教の共通点じゃないか?
ということを見つけたり

オススメの本を教えていただいたりと
参加者の方から私も多くの学びを
受け取った時間でした。


ご参加のみなさま、
ありがとうございました!


10月は藤田嗣治展@府中市美術館に
行く予定です。

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〜編集後記〜

この展覧会を見に行く前に
タイミングよく貸していただいた
1冊の本があります。

「名画でたどる聖人たち」
著者:秦剛平
出版社:青土社
http://amzn.to/2cMkpsT

ランチの時にも話が出た
「アトリビュート」についても
詳しく書かれています。

秦氏がカルチャーセンターで
一般向けの講座を担当するにあたり
内容をまとめた本のようで、

キリスト教礼賛!
というワケではない著者が、
辻つまが合わない部分をツッコミつつ、
軽妙な語り口で聖人達を
紹介している読みやすい本。

アトリビュートとは
「属性」ということで

例えば、聖ヒエロニムスには聖書とライオンが
いっしょに描かれることが多い、
といった、聖人の尊い行いを示唆する
物や動植物などのことです。

これを知っていると
描かれた人物が誰だか分かるし、
誰と、誰と、何が描かれているから
この絵は聖書のこの場面だ、と
芋づる式に絵が理解できるなと
実感しました。

宗教画理解の最初の知識として
お薦めです。


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posted by ひまわり at 12:19| 東京 ☀| Comment(0) | イベントアーカイブ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月10日

耳を使って作品を見る

最近耳が遠くなってきた父と
補聴器について話をしていた時のこと、

ずいぶん昔よりは小型になったし
質も(品質)良くなったみたいだけど
雑音まで拾ってしまって
聞こえづらいらしいよ。

補聴器を通して聞く時は
コツがいるみたい。

・ ・・というようなことを
補聴器を使っている人に聞いたようです。

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人間の耳は、聞きたいことや意識を向けている音が
優先的に聞こえるようになっていますよね。

不要な音は入れない、もしくは小さくするという
素晴らしい働きが備わっています。

最終的に音を感じるのは「脳」であるため
脳の機能も関係しているかもしれませんね。


騒音や雑音が多い人混みや電車の中でも
隣で話している友人の声が一番大きく
しっかりと聞こえてきませんか?

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ところ変わって。

美術館の展示室では耳は
使わないのでしょうか?

そうでもないですよ。

大きく2つの場合があります。

一つ目は周りの鑑賞者の方の
話し声が聞こえる場合。

絵の感想やうんちく、
時にはまったく鑑賞に関係のない
グチや世間話まで
いろいろと聞こえてきますね〜。

まだ自分が鑑賞モードに入っていない、
又は展覧会に興味が持てない、
展示室が非常に混雑している状態の時に
起こりやすいです。

こんな時は、「ああ、うるさいから集中できない」
ではなく、聞こえてくるものを
素直に聞いてしまいましょう!

展示室でのお喋りの盗み聞き(響きが
あまりよくありませんが)というのは
案外面白いもので
「へぇ〜、そんな見方をするのか」と
あらたな発見があったりします。

リラックスしていると
そのうち集中してくるので
周囲のお喋りも気にならなくなって
きますよ。

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二つ目は、心の中(頭の中?)に
聞こえてくる音を聴く場合。

実際にその場では鳴っていない
音が聞こえる(と感じている)場合です。

ピアノを弾いている絵が
目の前にあるとしましょう。

ピアノの音が聞こえてきませんか?
あなたの好きな曲が聞こえてきませんか?

夕焼けの中、放牧を終えた羊飼いが
家路につく絵を見ています。

森の巣に帰る鳥たちの鳴き声が
聞こえます。

牧羊犬が羊たちを追い立てるため
ワンワンと威勢の良い声で鳴いています。


耳を使って作品を見る、
感性を使った鑑賞法の一つです。


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posted by ひまわり at 11:41| 東京 ☀| Comment(0) | 美術館よもやま記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする