まずは「日本画」という言葉が明治時代に油彩画が日本に入ってきて
区別するために生まれた言葉だということを知りました。
それまでは、伝統的な流派があった為「流派」で区別していたようです。
説明を読んでいて面白いな、と思ったのが
「余白の中に厳しい線描を引き、対象の本質に鋭く迫る」という一文です。
これは小林古径や前田青邨(写真の蕪の絵)の作品にありました。
小林古径の作品は、くっきりと明瞭で、色も鮮やかなところが大好きです。
この「くっきり」に見えるのが「厳しい線描(輪郭線?)」であり
「明瞭」に見えるのが「対象の本質に鋭く迫っている」ということなんだと
分かり、大変納得しています。
今回は古径の作品で、猫のいる柿の木が描いてあるものがとても可愛らしく
こんな愛らしい作品も描くのだと意外な発見でした。
柿の葉が色とりどりで、ガラスでできた木の置物のように綺麗な葉でした。
対して、横山大観の作品は「没線描写」と説明があります。
「夜桜」(1947年)や雪山の絵で今回は見ることがきますが、
ぼかしで空間を表現するのです。
「夜桜」はかがり火と桜の枝が描かれてる作品で、暖かく煙っている空気の
中に桜が浮き上がり、まだ寒さはあるけど夜でも緩んできた気候を感じることが
できます。
雪山の絵は確か墨絵だと思いましたが、雪山の厳しい感じを単純に白黒という
色だけで表現しているのではなく、濃淡のぼかしが冷たい湿気をおびた
靄や霧のように山々を包み込み、画面の空気全体の冷たさを感じることができました。
日本画は静物や動植物をたっぷりの空間をとって描いている作品が多いと
思います。つい物が描かれているところに目が向いてしまいますが
何も描かれていないと思われる空間にもよく見ると絵の具が置いてあり、
しかも微妙な濃淡をつけて描かれている。
それは対象の中から醸し出されるオーラであったり、対象をより明確に
みせる為の技法のようなものであったりするのだと思いました。
絵は平面だし、洋画のような遠近法ではないけれど、空間の使い方で
立体感が表現できることを知り、日本画の奥深さを感じる展示会でした。
上原近代美術館:http://www.uehara-museum.or.jp/calendar/ca.html

